レバレッジ時間術―ノーリスク・ハイリターンの成功原則(本田直之、2007)★★★★ー0024
時間を浪費する人は、収入も増えないし、自分の時間も持てない。逆に時間を投資する人は、仕事で大きな成果を上げるだけでなく、そこから不労所得的に生まれた時間を使って、旅行に行ったり、家族とともに過ごしたりして余裕のある生活を送れます。
レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長兼CEOの本田直之氏による、人生を「投資」の視点で考える「効率的な時間投資」についての一冊です。現在では労働の中心が肉体労働から知的労働の代わり、労働時間ではなく成果物のクオリティが以前よりも評価されるようになりました。つまり、現代のビジネスパーソンには、「最小限の時間とコストで最大限の利益を出す」ことがますます求められていると言えます。こう聞けば当たり前のようですが、実際に突き詰めて考えている人はごく少数だと思います。だから、私たちはそれについての知識を得て、日々実践の中でそのスキルを身につけていけば、その中でも抜きに出て活躍できる可能性が高いのです。
①本質は「重要なことを見極めそれにコミット」すること
②どのようにその重要なことを見極めるのか
③見極めたその対象について、どのように効率化を図っていくか
余談:迷うな!意思決定のポイント
①本質は「重要なことを見極めそれにコミット」すること
「最小限の時間とコストで最大限の利益を出す」ということについて、まず考えなくてはいけないことは「利益とは何か」です。まずここを明確にしなくては投資効率もへったくれもありません。
人生という大きな視点での「利益」とは何でしょうか?
目の前のプロジェクトの視点での「利益」とは何でしょうか?
まずこれらを明確にする必要があります。ちなみにここで明確にするのは、「ボーダーライン」です。つまり「最低限どうなっていたらOKか」ということを明確にするということです。
そうすることによって、「ではそのボーダーラインを超えるために必要不可欠な要素は何か?」を考えることができるのです。
このようにまず、何が重要であるのか、ということを見極めることが肝要です。そうして見極めたものをあとは全力で達成しようと死ぬ気で試行錯誤していくのです。これが大まかな全体像です。
②どのようにその重要なことを見極めるのか
では、具体的にどのようにその重要なことを見極めていけばよいでしょうか。
この問いについては、本書ではなく「ザ・コーチ(前記事ー0011)」をお読み頂くのがよろしいかと思います。人生を大きく捉えて、そこからどのように逆算をしていけばよいかについて書かれています。
ざっくりお伝えすると、人生の目的と照らし合わし心から納得できる「ゴール」を設定する。それに必要な要素を「知識」「能力」「道具」に分けて、目標に分解していく、ということになります。
この作業をすることによって、目の前の重要なことを見極める(優先順位をつける)ことができ、ようやくそれにコミットすることができます。
オススメは人生ver.で考えることですが、直近のプロジェクト単位で目標に分解することも可能です。
③見極めたその対象について、どのように効率化を図っていくか
さて、それでは目の前の目標達成を効率化するために、具体的にどうしたら良いのでしょうか。これが本書の肝となっているところです。
全体像はこうです。まずやりたいこと・やるべきことのためにスケジュールからその分を「天引き」して時間を確保する必要があります。そして増えた時間をまた投資していって、これを繰り返すことによってどんどん効率的に目標を達成していきます。
以下「時間投資」の基本的な手順を引用します。
時間投資には、いくつかの基本的な手順があります。
まず重要なのは、事前リサーチ。自分の仕事全体を見渡して、何が面倒なのか、何に時間がかかっているのかを、自分で把握するということです。
次に、その中でどれについて効率化を図るかを検討するスクリーニングです。成果につながること、成果につながらなくてもどうしてもやらなければいけないこと、人に頼めないことなど、ウェイトの大きいものから順位付けをしていきます。
その上で、仕組みづくりのために実際に時間を投資をして、効率化を図っていきます。
では具体的にどうやってそれらを行っていけばよいのか。本書によって提案されている手法をメモします。
■事前リサーチ
→30分単位で1日の時間の使い方を5分類で記録(3分で)
- インプット(読書、人と会う)
- アウトプット(仕事)
- 生活(風呂、飯、洗濯等)
- プライベート(自由時間、趣味等)
- 不明時間(覚えてないダラダラ時間)
■スクリーニング
→「成果」の観点から評価
- 成果につながっている
- 成果につながるはずなのに、それだけの成果が上がっていない
- そもそもやる必要のない無駄なこと
■仕組みづくりによる効率化
→時間制限と再現性、無意識化することが肝
- 10分の1に短縮する方法はないか、と自分に問う
- 人に任せる
- 判断を先延ばしにせず、今決める
- タスクリストを朝に作成する
- 成果を上げるために、今、必要な仕事のみを挙げる
- (制限時間を自分に言い聞かせる効果がある)
- チェックリストを作成し、考える時間を省き抜け漏れを防ぐ
- タスクやスケジュールなどは常に見えるようプリントしとく
- 時間割を作成して、無意識で動けるようにしておく
余談:迷うな!意思決定のポイント
ムダなことを切り捨て、自分でなくてもできることは人に任せ、最後に残る重要な仕事は「意思決定」です。
よく、どうしようどうしようと悩んで何も行動できずにいる人がいます(私です。。)。これはただ悩んでいるだけで、何もいいことはありません。多くの場合、生きる目的が明確になっていないか、もしくは、情報が不足しているか、が原因だと思われます。もしこの二つの条件を満たしていれば意思決定は迅速にできると思います(それが正しいかどうかは一旦おいておいて)。
では、そんな迷える子羊の私は今後どのようにすべきか、答えはシンプルです。以下の3択の中からいずれかを選ぶことです。
- やると決め、しっかり段取りを考えてから実行に移す
- 今判断をせず、この情報を集めたら判断をすると決める
- やらない。捨てる。
個人的にポイントだと思うのは、多くの人が流れ込む2のときに、アクションが見えていることです。つまり何を知ったら判断ができるかを自動的に考えさせる仕組みになっています。こういう仕組みを事前に作っておくことによって、意思決定を迅速にし、結果大きな成果を生むことにつながっていくのです。
このように、基盤となる仕組みを作っていくことにまずは注力していきたいと思います。
レバレッジ時間術―ノーリスク・ハイリターンの成功原則 (幻冬舎新書)
- 作者: 本田直之
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2007/05
- メディア: 新書
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