コペルくん的読書日記

誰かと本の感想を語り合いたい寂しめなコペルくんです

「好きなこと」だけして生きていく。(心屋仁之助、2014)★★ー0012

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「好きなこと」ができない、わからない人は「嫌なこと」「我慢し続けていること」をやめてみる。少しずつ、そちらにぜひチャレンジしてみてください。そして自分の人生の中に「ときめく」ものだけを残していくのです。すると、「ときめく人生」になるのです。(略)そして、それをした人だけが、「長年の思い込み」という呪いの世界から「爆笑」の世界の扉を開くことができるのです。

 19年間会社員をやってきて、今はカウンセラーとして、自由と豊かさを得た心屋仁之助氏による「好きなことだけして生きていくためのコツ」をまとめた一冊です。

コメント

 本書を読んだ目的は「好きなことだけして生きていくためのコツ」を知るためです。最近は特に目標設定のところをひたすら考えてこねくりまわしています。なんとなく自分の好きなものが結晶化されてきていて、なんとも言えないワクワク感を感じています。とはいえ、世間的にはそろそろ就活を始めなくてはいけないタイミングに来ています。この就活をどう活かすかという前提に立って物事を考えていたわけですが、もしかしたらこの前提を取っ払うことも可能ではないのか、ということをこのタイトルをみて思いついたので手に取った次第です。

 本書を読んで考えていたことは「好き」という覚悟についてです。以下はそのことについての思考メモです。

 

好きなことを好きと言う覚悟

 今の時代、自覚の有無に関わらず、自分の好きなことを「好き」と言えなくなっている人が多いと思います。少なくとも私はそのうちの一人です。私は漫画やアニメが好きです。とくに少年漫画系のが好きです。しかし、これを前面に押し出して語ることはあまりありません。なぜか。それは怖いからです。「そんな無駄なものを好きなのか」と他者に否定されることが。「漫画のせいでダメだったんだ」とあとで後悔してしまうことが。そして、「なんだそんなものか」と他者に失望されるということが。

 たしかに社会から決められている道を正しいと思う価値観が自分には植えつけられていると感じます。だから漫画やアニメを「本来は無駄なもの」として認識してしまっている自分もいて、だからこそ他者にそう思われているんだろうと。

 しかし、実は私が最も怖れていることは、その道を行く人に「なんだそんなものか」と失望されることだと気がつきました。浅さコンプレックスとでも言うのでしょうか。

 以前Tokyo Desiners Weekという番組で、中田英寿さんのお話を聞いていました。彼の好きな言葉に「carpe diem」というものがあります。ラテン語で「今この瞬間を楽しめ」という意味ですが、彼流に言うと「今を真剣に遊ぶということ」だそうです。自分の好きなことをとことん真剣に究める。その道で誰よりも詳しくなろうとする。そうすることによって、それがいわゆる遊びじゃなくていつの間にか仕事になっている。だから「今を真剣に遊ぶ」、たしかに楽なことではないけれど楽しいからやる、そういう感覚だと言うことをたしかおっしゃっていました。

 雑なまとめですが、結局これなんだろうなという感じがしています。笑 

 つまり、やることはひとつ。世間の目を気にせずやりたいことを考え、それを誰にも負けないように今を真剣に遊んでいくこと。結局これしかないんですね。好きなことを認めて、それと真剣に遊んでいくと決めること。そういう覚悟を持てないと中途半端な人生、仕事っぷりになってしまうのではないかなと。だから、まずは今を真剣に遊んでいくことを今後もずっと考えて、少しでもかっこいい大人に近づいていきたいと思います。

 

※余談ですが、本書を手に取る直前にこの記事(「あひるの空」のコトバ|進んで止まって、止まって進んで。人はそれを歩みと呼ぶのだ)を読んでひどく心動かされていたためにこういう考えになっているのかもしれません。ですので、本書の、頑張るな、というメッセージ等には基本懐疑的なスタンスになってしまっています。 

 

「好きなこと」だけして生きていく。

「好きなこと」だけして生きていく。