コペルくん的読書日記

誰かと本の感想を語り合いたい寂しめなコペルくんです

コミックでわかるアドラー心理学(向後千春、2014)★★★★ー0034

人は傷つかないまま、人は傷つけないまま生きることはできない。人は必ず人と関わって生きているから、何かに逃げることはできないんだよ

 本書は、早稲田大学人間科学学術院で教授をしておられる向後千春氏による「アドラー心理学実践・解説漫画」です。彼の専門は、インストラクショナルデザイン(教えることのデザイン)、eラーニング、教育工学、作文教育、アドラー心理学と幅広く、この名目を見る限りこの漫画という形態も意味がありそうです。実際、漫画形式の方が知識はスッと入ってくるということでしょうか。やっぱり漫画っていいですよね、入り口としてかなり入りやすいので、私はかなり好きです(笑)

■課題意識

人と関わりを持つということに関してかなり課題意識があるので、そこをどうにかしようと、今回も今の自分とアドラーが求めるものとの「考え方や行動の差異」を知り、具体的な行動ベースで変わっていきたいという思いで読みました。というのも、立て続けに7つの習慣を読んでいたのですが、やはり、課題は他者との関わり方の部分だったからです。そろそろどうにかしないと、と感じています。

■気付き

自分の行動を客観的に分析する、虫のように

 本記事冒頭で引用しましたが、人は傷つかないまま、人は傷つけないまま生きることはできません。人は必ず人と関わって生きているから、何かに逃げることはできないのです。だから「強さ」が必要だということですが、ここでこの強さとは、「今の自分を100%認めてあげられるかどうか」ということらしいです。つまりそれが出来れば後悔したり落ち込んだりすることはないだろう、というロジックみたいです。そしてそのためには、自分は「意識」も「無意識」も両方使って何かの目的を達成するように動いているということを自覚する必要があると言っています。よく「意識」と「無意識」を別々に切り離して考えることがあるのですが、ここではそうではなく、とある目的を達成するために自分は「意識」と「無意識」を使い分けていると認識しましょうとのことです。

 要は責任逃れするんじゃないよ、という話だと思っています。例えば、自分が人を避け引きこもっているのって、「インプット量を増やすため」なんてもっともな言い分ですが、実のところ「人と関わって嫌われることを恐れている」もしくは「自分の無能さを知るのが怖い」みたいに思っていて、それを避けるという目的のために引きこもっているんだ、と捉えるようなイメージです。

 だから、これを実践するためには、一回自分の感情とか思考とかそういうものを一旦置いておいて、俯瞰して自分のことを観察するイメージが必要だと思っています。シチュエーションと自分の行動を客観的に捉えていくのです。こいつまた引きこもってるよ、って他人事のように思えるからこそ、こいつ人に嫌われたくないんだろうな、という自分にとって辛辣な事実を突きつけることができます。

 具体的には、毎日夜、1日を復習するタイミングで使用する感じだと思います。ここで、まず出来たことを具体的に書いていき、それについてどう見えるかを考えてみるのです。今後は、その復習(振り返り)の際、特に気になっている場面を1つだけ思い描き、自分は何を達成しようとしてこれを実行したのかを問うてみようと思います。

 

コミックでわかるアドラー心理学

コミックでわかるアドラー心理学