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コペルくん的読書日記

誰かと本の感想を語り合いたい寂しめなコペルくんです

走れ!T校バスケット部(松崎洋、2010)★★★★ー0045

勝敗なんて、どっちでもいいじゃない。そんなことより、あなたたちが大人になったとき、この試合がいい思い出になってくれる方がずっと大事なことだと思うの

■あらすじ

 中学時代、バスケ部キャプテンとして関東大会二位の実績を残した陽一は、強豪私立H校に特待生として入学。だが部内で激しいイジメに遭い自主退学する。失意のまま都立T校に編入した陽一だが、個性的なクラスメイトと出会い、弱小バスケ部を背負って立つことに―。連戦連敗の雑草集団が最強チームとなって活躍する痛快ベストセラー青春小説。

 

■なぜ本書を手に取ったか

 息抜きにちょっと軽いのを読みたくなったからです。そこで久しぶりに小説読んでみよーと思い立ち、以前購入していた積読本の中から今回は本書に白羽の矢が立ちました。やはり僕は若者×スポーツ系の物語がすごく好みなんですよね笑。漫画やアニメでもこういう類の物語を比較的好んで楽しむ傾向にあります。やっぱりいいですね、こういうの。これが現実逃避なのかどうかは一旦置いておいて、この物語を通して現実もやっぱり頑張っていこーって思えます。

 

■気付き「勝つために勝とうとしているのではない」

 勝敗なんて、どっちでもいいじゃない。そんなことより、あなたたちが大人になったとき、この試合がいい思い出になってくれる方がずっと大事なことだと思うの

 とても好きだったので再度引用しました笑。これはT高バスケ部の顧問の先生のセリフです。普段適当な先生が真面目なことを言っています笑。何のために勝とうとしているのか。こういうメッセージとても好きです。勝つから楽しいということももちろんありますが、それだけではないというのもまた正しいと思います。

 例えばよく言われるのが仕事で成果を出すことについてです。成果を出すからこそ仕事が楽しくなるという論調がある一方で、その果てに「なんで俺こんな仕事をしてんだっけ?本当に世の中のためになってるんだっけ?こんな感じで生きているんだと胸張って言えるんだっけ?」と苦悩した挙句、転職や独立、起業を経て、本来自分がやりたいと思っていた働き方を実現されているという話も聞きます。実際に働いてみたことがないのでなんとも言えないのですが、なんとなく納得感あるな、というかいいなぁって思えるのは後者の考え方に基づいて仕事をされている方です。純粋にそっちの方がかっこいい。

 僕たちは勝つために勝とうとしているのではなく、何かを実現するために勝とうとしている。もしくは何かを実感するために。その何かをしっかり考えたい、改めてそう思いました。幸い、今の時期はそれについてとことん考えられる時期ですので、いろいろな体験をたくさんして、いろいろなことをたくさん考えて、それにより磨きをかけていきたいなと思います。あー、それにしても、やっぱりこういう作品好きだなあ。

 笑える部分もありますし、何よりかなり映像として脳内に再生される感覚があります。本を読むってこういう感覚もあったかという懐かしさがありました笑。特に構えることなく読めましたし、息抜きのつもりがちょっとした気付きもありお得な気持ちになりました。続きも近いうち読みたいなー。

 

■余談(完全に読まなくてもいい蛇足です笑)

 「しかし都立T校って一体どこの高校がモデルなんだ?」ということについて、野暮ですが気になっていました。で、なんとなく都立立川高校なんじゃないかと思ってます。作中に横田基地が出てきているので、仮に多摩地区内の都立高校だとすると、頭文字がTの高校は、立川、多摩、多摩科学技術、多摩工業、田無、田無工業等が挙げられると思います(参考:平成28年度 東京都立高等学校等一覧)。そしてT校バスケ部のメンバーの中の誰か(ややネタバレですので)が進学するW大学は、教育学部もあるのでおそらく早稲田なのではないかと推測できます。だとすると、そこに進学する人がいる可能性が最も高いのは先程の中だと立川高校なんじゃないかな、と思ってしまうわけです。であれば立川高校の友達とかいますし、個人的に親近感が湧いてより楽しめるかも…!?。はい、野暮でしたね。。そして言っといてなんですが、こういうのは考えない方が案外楽しめるかもしれません…笑。

走れ!T校バスケット部 (幻冬舎文庫)

走れ!T校バスケット部 (幻冬舎文庫)