三色ボールペンで読む日本語(斎藤孝、2002)★★★★★ー0027
この三色ボールペン方式の最大のねらいは、主観と客観を切り替える技を身につけることにある。(略)「主観と客観を分けて考えろ」と言われても、そう簡単にできるものではない。しかし、「主観と客観で色を分けて線を引け」と言われれば、否応なく区別することになる。
日本の教育学者であり、作家でもある、明治大学文学部教授の斎藤孝氏による、「効率的な読書スキル」についての一冊です。赤と青と緑の三色を巧みに使って本を読んでいくべきだという内容で、具体的にどう線を引けば良いかについて例文に沿って詳しく解説してくれています。
■課題意識
我流に近い三色ボールペン方式だとインプット効率が悪いかもしれない?
現在、「本を深く読む」ことを目的に読書会を週一で開いていますが、そもそも「深く読む」ってどういうことか、という理解がかなり曖昧でした。ですので、メンバーと話し合った結果、読みの深さは以下の三つで構成されていると結論づけました。
①筆者の主張を正確に把握できているか
②その上でその情報をいかに自分に関連づけて考えられているか
③そしてその情報に対していかに多くの視点を持って考えられるか
もともと③を目的に読書会を開催していたのですが、そもそも①②のところも怪しいよねというそもそもの問題に直面しました。以前から勝手が良かったので三色ボールペン方式で本を読んでいたのですが、特に①をすり合わせる際に、ノリではなくて正確に擦り合わせ出来るようになろうと思い、今回これを課題図書として設定し再読しました。
ですので、設定した目的は「今までの我流に近い三色ボールペン方式を本家流に矯正すること」としました。
■気付き
本流とのズレは、赤線の数くらいでした。あとは概ねOKだったと思います。
はじめのうちは、正解不正解にあまりとらわれずに、勇気をもって赤を引くのが、コツだ。(略)ここぞというときに青から赤に切り替える、その瞬間の興奮と緊張感が大切だ。
まさにこれでしたね。また書いてありました。笑(余談ですが、もし本からのインプットを取り入れて道に迷ったときは、読み返すと大抵ヒントが転がっているもんですね。いい気付きを得ました。)
筆者は文中に、小説と評論で赤の引き方が少し違うと言ってます。
中心的なテーマからして、重要でインパクトのある箇所に赤線を引いておくのが基本になる。小説に赤線を引く場合は、評論よりもいっそう表現にインパクトの強さに比重が置かれることになる。
腑に落ちるようで落ちないですね(笑)。結局本質は、筆者がこれ絶対伝えたいだろうなーというのを受け取れるかどうかですよね。そのためには、評論にせよ小説にせよ、まず何のテーマについての話なのかを把握しておく必要があって、その上でそのテーマについて筆者はどういうこと・どういう思いを伝えたいのかを考える、といった順を踏むと良さそうですね。そのために事前にキーワードらしきものに目星をつけとくのもアリかなと思いました。
とにかく今後は積極的に赤を(1章に1個はMUSTにしてしまうくらいの勢いで)引いていこうと思います。