ソフトバンク② ジョブズも口説いた孫の人心掌握術(バラエティアートワークス、2012)★★★★ー0022
ここでガソリンかぶって火ダルマになります…本気ですから
バラエティアートワークス 「まんがで学ぶ 成功起業の仕事術」制作班による「孫正義のソフトバンク創立物語」、本書は第二巻です。今回は最も自分の関心に触れた「転んでもタダでは起きない」ということについて少し考えてみたいと思います。
①転んでもタダでは起きないスピードと決断力
②理想は事前に失敗の対処法を用意しておくこと
③しかし予想も出来ない失敗にはどう対処していくか?
①転んでもタダでは起きないスピードと決断力
「今回は残念な結果になったが…頑張ってくれたみんなには心から感謝しています。今日は食べて飲んでゆっくり休もう(これがアメリカ式のM&A…これがずっと憧れてきた自由の国のやり方か…ちくしょう…)」
翌朝(電話鳴り響く)
「うーん誰だよこんな朝っぱらに、ハロー?」
「孫です。今すぐ展示部門の入札に参加するぞ」
ソフトバンクがジフ・デイビスの出版部門を買収しようといたときの話です。投資銀行のフォーストマン・リトルとジフ・デイビスとの裏取引(癒着?)により、買収の話がパーとなってしまいました。この買収にかなりの価値と必要性を感じていたソフトバンク社の方々(特に孫さん)は大いに落胆しました。しかし、翌日の早朝、孫さんは展示部門の入札を決断、先日のジフ・デイビスとの交渉の際の失敗を活かして交渉に臨み、結果約200億円で買収という大型のM&Aを成功させました。このようにして、孫さんは「転んでもタダでは起きないスピードと決断力」を発揮してどんどん事業を拡大していきます。
ここから私たちが学べることの一つには、「どうやったら失敗を失敗のままにせず次に行動に移してそれを成功に変えられるか」ということがあると思います。今回はそれについて少し考えていきたいと思います。
ここでポイントとなるのが二つ、まず「この失敗を想像できていたか・しようとしていたかどうか」、次に「想像できていなかった失敗に対してどのように対処していくか」が鍵となるように思います。
②理想は事前に失敗の対処法を用意しておくこと
孫さんのような「スピードと決断力」を真似するためには、まず事前に失敗の対処法を用意しておくことが肝要ではないかと思われます。なぜなら、あらかじめ行動まで決めておけば、悩む必要もなくすぐに行動に移すことができるからです。こうしておけばそれは失敗は失敗でなくなります。つまり、ただの「想定の範囲」ということにしようというのです。
ではどのようにしてその失敗を事前に想定すれば良いのでしょうか。簡単にいうと、「リスク」を挙げまくろうとすることです。以下具体的な手順です。このようにして考えれば良いかと考えています。
- 成功の定義をひっくり返す
- その最悪のシナリオに心から同意する
- 具体的にどういうケースかを妄想する
- それぞれをグルーピングしてまとめる
- そのグルーピングを頼りに漏れたところを妄想してみる
- こうして挙げたリスクが発生しないように仕立てる
- 万が一のときのためにリスクに対する解決策を用意しておく
③しかし予想も出来ない失敗にはどう対処していくか?
さて、今回のメインテーマであるのはここです。想像から漏れていた「予期せぬ失敗に対してどのように対処していくか」、これが「タダでは起きない」という言葉の言わんとしているところかと思われます。
結論としては、効率的な内省方法を仕組み化して学びを抽出した後、「◯◯を達成するためには他に何か手があるはず!今何をすべきだろうか?」と反射的に問えるようにしておくことだと考えています。
うまくいかなかったとき、心は落ち込みます。衝撃が強ければ何も考えたくもなくなるときがあります。そういう精神状態でも、自動的に学びを抽出するシステムを自分なりに構築しておけば、わずかな労力でこの失敗を失敗で終わらせず次につなげる糸口を見つけることができます(具体的な方法に関しては今後の課題です。もともと内省に関してもう少し掘り下げようと思っていたので今回を機に少しインプット増やして考えてみたいと思います)。
そうしたのち、また行動に移すため、そもそもの目的を確認し、可能性があると信じることで新たな道を見つけるように自分に考えさせるように仕向けます。つまり、「◯◯を達成するためには他に何か手があるはず!今何をすべきだろうか?」と問いかけるのです。
こうすることによって、孫さんのような「転んでもタダでは起きないスピードと決断力」に少しでも近づけるのではないかと考えています。
ソフトバンク? ジョブズも口説いた孫の人心掌握術 (まんがで学ぶ 成功企業の仕事術)
- 作者: バラエティアートワークス
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2012/03/16
- メディア: 新書
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