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コペルくん的読書日記

誰かと本の感想を語り合いたい寂しめなコペルくんです

竜馬がゆく(四)(司馬遼太郎、1998)★★★★ー0013

まあ、お田鶴さま、ながい眼でみてくだされ。天下の有志(志士)が、京に集まって騒いでいるが、わしが一人その仲間に入ったところで、数が一つふえるだけのことだ。

 幕末の奇蹟といわれた風雲児坂本竜馬の劇的な生涯を中心に、同じ時代をひたむきに生きた若者たちを描いていた青春群青、第四巻です。

コメント

 今回は特に竜馬の人たらしなポイントについて注意して読んでいました。相変わらずの人たらしっぷりがすごいです。笑 今回はその「人たらし」たらしめるものは何かについて考えてみたいと思います。

①竜馬は「人たらし」
②「人たらし」という魅力って結局何か
③どうやったら「人たらし」になれるか

 

①竜馬は「人たらし」

「だいたい竜馬、そちを十九歳のころから世話してきているが、自分の好むほうへ仲間をひきずりこむのがうますぎるようだ。重太郎はあやうく道場を出奔するところだった」(略)「まあね、竜さんと大阪で別れて江戸へ帰ってきてから、なんとも落ち着かなくて弱った。いま思い出しても熱病にかかったようだった」「いや、重太郎のは海軍熱じゃない。竜馬、そちと一緒にずっとやって行きたかったらしい。どうも竜馬というのは、友達をそういうようにしてしまうところがあってこまる」「それはご迷惑なことでしたな」「あっははは、いかにも迷惑だった。なにしろ重太郎めは、藩も、老父も、妻子も捨てて竜馬のもとに行こうというのだから、これは千葉家最大の危難だった」「重さんにもいいところがある」「おいおい竜馬」

 少し長いですが、竜馬と千葉道場の跡取りの重太郎、師匠(老父)貞吉との会話を引用しました。簡単に言うと、あととりの重太郎が竜馬のことを好きすぎて大変困ったと貞吉が嘆いているシーンです。(なんだかとても和みませんか?笑)世の中には、魅力を備えた人がたくさんいます。しかし人によってその魅力は全然違います。この引用の例はあくまでも一例ですが、今まで読んできてまず確実に言えるのは、竜馬はかなりの「人たらし」であることです。では、この「人たらし」という魅力って一体何なのでしょうか。

 

②「人たらし」という魅力って結局何か

 結論から言うと、「いかに人間を理解しているか」に尽きると考えています。

 竜馬の魅力的な特徴を思いつくままに挙げるとすると、「人たらし」「道を究めた達人(剣術)」「即物的思考(自分の眼で見て考える)」「独特の時勢観」「小さいことを気にしない器」だと私は思っています。それぞれが影響し、合わさって竜馬の人格になっているので、一概に魅力の原因を断定することはできません。しかしどれも根底で「いかに人間を理解しているか」につながっているように思えるのです。これは完全な妄想ですが、おそらく以下のようなストーリーかと思われます。

 もともと即物的にものを考える竜馬が、江戸で剣術に励んだ。いかに自分に克ち相手に勝つか、を剣術修行の中で突き詰めることによって人間の弱さへの理解が深まった。そして江戸でたくさんの人に触れる中で、竜馬は竜馬なりの処世術なるものを会得していった。その結果、もともとあまり小さいことを気にしない性格とも相まって「人たらし」の如く人々を魅了していった。人間への理解が深まった竜馬は、蝦夷蝦夷と叫んでいる武士たちを先入観に捉われず、即物的に捉え考えることができたので、これはおかしいぞと疑問を持つ事ができ、やがて大局的に時勢について考えられるようになった。

 例えば竜馬は人間をどのように洞察していたかとして以下の三つを引用します。これをご覧頂ければわかるように、まさに即物的に人間を理解しようとしていた印象を受けます。

よほど大事の瀬戸際でない限り、座興の議論などに勝っても仕様がないものだと竜馬は思っている。相手は決して負けたとは思わず、名誉を奪われたと思う。いつか別のかたちで復讐するだろう。 

相手を説得する場合、激しい言葉をつかってはならぬ、と竜馬は思っている。清河なら、そういう言葉をつかう。結局は恨まれるだけで物事が成就できない。

「ああいう場合によくないのは、気と気でぶつかることだ。闘る・闘る、と双方同じ気を発すれば気が付いたときには斬り合っているさ」「では、逃げればどうなるんです」「同じことだ。闘る・逃げる、と積極、消極の差こそあれ、おなじ気だ。この場合はむこうがむしょうやたらと追ってくる。人間の動き、働き、の八割までは、そういう気の発作だよ。ああいう場合は、相手のそういう気を抜くしかない」

※三つ目の引用ですが、私の好きなシーンなのでねじ込みました笑 これは新撰組と竜馬が鉢合わせてしまった直後のシーンです。新撰組の面々が剣を抜いて殺気だっている中、竜馬は猫を拾い上げてあやすという不可解な行動をしました。それで相手の気が抜けて結局何事もなかったかのように過ぎ去っていきました。その直後同伴していたものにその実を竜馬が語った内容が上の引用です。一方、新撰組土方歳三沖田総司は直後にこのように会話しています。「大胆な男だな」「しかしそれだけではない。われわれの気を一瞬に融かしていってしまった」「翻弄されたのですよ、われわれは」…竜馬さんかっこいいです。笑

 

③どうやったら「人たらし」になれるか

 少し余談が長くなりました。上で言いたいのは、要は竜馬がかなり人間を理解しているということです。では、結局のところ、どうすれば人間への理解を深め、「人たらし」となることができるのでしょうか。

結論から言うとポイントは2つ、「人間の弱さを知ること」「実践にて人との関わり方を試行錯誤すること」だと思っています。これは、上で書いた妄想のストーリーを根拠として考えているので、自分で言うのもなんですが、信憑性に欠けそうです。が、続けます。

そのために具体的に現代に生きる私は何をしていけば良いのか。

・たくさん本を読み・映画を見ること(例えば悲劇とか)
・道を究めようとしその過程でたくさんの苦労を惜しまないこと(例えばこの読書ブログや、目標として決めたこと、今後やる仕事等)
・本から学ぶだけでなくしっかり相手の反応を監視するようにコミュニケーションをすること

これが正しいのかどうかを判断する方法がわからないので、どなたか教えて欲しいです(特に考え方を…(。-_-。))が、とりあえずは、上記のことを実践していこうと思っています。長々とした駄文にお付き合い下さって本当にありがとうございます。

 

竜馬がゆく〈4〉 (文春文庫)

竜馬がゆく〈4〉 (文春文庫)