補稿:バイタリティを後天的に獲得する方法について少し考えてみました(1)
前記事(0035ー現代語訳 論語と算盤)にて、いかにしてバイタリティを獲得できるかということについて考えていきたいと書きました。本記事ではそれをどうにか回収していくつもりです。
■課題意識
かっこいいと思う偉人たちはいるものの、「どうやって彼らに近づくか」については皆目見当がついていませんでした。とりあえず偉人たちの書籍を読んでみて、少なくとも共通しているのは、人並み外れた「バイタリティ」であるように感じました。かつ、それは常日頃僕には足りないと思っていることでもありました。なのでやや安易ですが、ここの差を埋めることで少しでも彼らに近づけるのではないか、何かが見えるようになるのではないか、そんな期待を抱いています。ですので今回は、表題の通り「どうすればバイタリティを後天的に獲得できるか」について考えていきたいと思います。
■今回の結論(バイタリティを高めるアクション)
- 作業をするならとりあえずカフェに行く
- カフェではまずメモ書きから始める
- 作業の期限を決める
- 期限を守れなかったときのペナルティを作る
- 誰かを無理やり作業に巻き込む
■目次
①バイタリティとは?
②もっともバイタリティらしい要素は?
③なぜ後回しにしてしまうのか?
④どうすれば後回しにせずすぐに着手することができるのか?
①バイタリティとは?
そもそも自分はどういった意味合いでバイタリティという言葉を使っていたのでしょうか。なんとなく使ってしまっていましたが、おそらく「結果を出し続けるために必要な圧倒的な体力と精神力」といった意味合いで使っていました。たしからしそうなそんな気がしないでもないですが、果たして本当にこの表現で「バイタリティとは」という本質をつけているのでしょうか。自信はないです。なので一旦ここでは、本来の「バイタリティ」とはどういった意味なのか、ということについて少し考えていこうと思います。
まず世間一般ではどう解釈されているのかを知るべく、「活力のある人」「バイタリティのある人」というワードで検索をかけて、ヤフー知恵袋の回答等を見てきました。そこでの回答を無理やり3つにまとめるとしたらこんな感じです。
- (心)失敗を失敗で終わらせず成功するまでやり続けるタフさ
- (技)すぐに行動に移して結果的に量をこなすスピード
- (体)長時間やり続ける持久力
今度はもう少しアカデミックに、辞書で調べてみました。以下はそのまま引用です。「活力」に付随する言葉の字義についても引用します。
vitality(英)
(1)活力にあふれた態度
(2)生き残り、成長することができる特性(日本語WordNet(英和))
活力とは、活動を生み出す力。元気よく動いたり働いたりする力。
活動とは、活発に動くこと。ある動きや働きをすること。
活発とは、元気で勢いのよいさま。行動・活動などが生き生きとして盛んなさま。(コトバンクーデジタル大辞典)
上記の定義を総合して考えると、バイタリティという言葉が示す範囲は、生き残るという目的を根に据えて、以下の3つのすべての範囲を指して、「バイタリティ」という言葉が用いられていることがわかります。
- 「活力」=エネルギー
- 「活力」に溢れ、活発に動けている状態、生き生きとした状態
- 「活力」を切らさないで維持する仕組み
=生産(容量の大きさ×生産頻度×生産効率)ー消費(消費頻度×消費効率)
ここでポイントかもしれないと思ったのは、人間が活発に働くためには「活力」を消費しなくてはならないという概念です(上記の「活力」に付随する言葉の定義より)。なるほどなと思いました。以下のような式で表せます。
どのタイミングで「活力」は生産され、どのタイミングで消費されるのか、ということが大事になってくるのではないかと思われます。
②もっともバイタリティらしい要素は?
さて、ここからバイタリティ・活力を高めるために、具体的にバイタリティがどういうときに生産されて、どういうときに消費されていくのかを考えていきたいのですが、そもそもバイタリティがどういったものか具体的な指標がよくわかっていないため、比較検討することが出来ません。
なので先ほど登場した心・技・体をもう一度分解して具体化してみます。具体的に下のような表にまとめてみました。
少し広がりすぎました。笑、「バイタリティを高める」ということを詰めて考え実践していくためには、回収必須なトピックかなと思うので、今後地道に考えていきます。
今回は、この中でもっともバイタリティらしいトピックのうち1項目について検討していければと思います。
そのトピックとは、上記の表でハイライトした「目の前の作業に取り組むまでのスピード」に関してです。これが上記の項目の中で最も重視すべきもののように思えました(個人的に)。
③なぜ後回しにしてしまうのか?
仕事が遅い理由のかなりの大部分が、じつはスピードの問題よりも、「すぐに着手しない、着手できない」ことに起因する(速さはすべてを解決する/赤羽雄二)
以前読んだ書籍にもこのような記述がありました。たしかに僕の場合、残念ながらこれにかなり当てはまってしまっています。そういう自覚はあります。
では実際現状どうなっているのかというと、例えばブログを書こうとか、仕事をしようとか、本を読もうとか、メモ書きをしようとか思ったとします。
しかし、それをそのまま行動に写せることは稀で、ではその代わりにどういう行動をしているのかというと、コーヒーを入れる、お菓子を持ってきて食べる、スマホで漫画を読む、スマホでnewsをpickする、ランニングをする、落書きをする、風呂に入る、ご飯を食べる(と同時についているTVをそのままだらだら眺める)といった感じです。特にスマホ系と飲食系に逃げてしまうことが多い気がしますね。
しかもひどいことに、上記の娯楽に逃げ込んだはいいものの、そこで心底楽しめているかというとそうではなく、精神の半分は作業に残してきていて、つまりずっと気がかりになっていて重荷になっているとは感じながらも、娯楽をなあなあでこなしているというような感じなのです。このままでは本当にいけない、という危機感があります。
では、なぜなんだかんだで後回しにしてしまうのでしょうか。
上記の娯楽に流れてしまうとき、自分の感情はどうなっているのかを少し考えたいと思います。自分はなぜ目の前の着手すべき作業以外に手をつけたくなったのでしょうか。考えられることを思った順番通りに挙げてみました。
- 作業が面倒くさい
- 作業のやり方がわからない
- 作業のボリュームが多くて気が遠くなる
- 終わったところをイメージできない
- 時間はまだあるしなんとかなると思ってしまう
- なんとなく手がスマホに伸びている
どうやら明らかに作業の側に原因があるように思えます(つまり、本当に読みたくてそのweb漫画を読もうとしている訳ではないということです)。また単純ですが、物理的に逃避できるような環境に身を置いてしまっているということも原因の一つかもしれません。
つまるところ、目の前の作業を「朝飯前」のレベルだと思い、かつそれをやることを強制されるような環境を用意することで解決するようなそんな気がしています。その二つを抑えれば、今よりは少しはバイタリティが高い人間になれるような気がします。
④どうすれば後回しにせずすぐに着手することができるのか?
ということで、ここからは具体的な施策の検討をしていきたいと思います。シンプルに2段構成です。まず作業を強制されるような環境に自ら赴くこと、そしてそこで目の前の作業を細かく砕けるようになることです。
作業を強制されるためには、「人」「集中して作業できる環境」「期限とペナルティ」が必要なのではないかと思いました。
「人」で言わんとしていることは、常に誰かを巻き込むということです。先日100kmマラソンをした際(前記事)、友人を巻き込むことに成功しましたが、これがしっかり頑張らざるを得ない状況を生んでくれて、振り返ってみてすごく良かったなと思っています。こういう強制力を活用すべく、あらゆる活動に、間接的にでもいいので友人や知人を上手く巻き込むことを今後も継続してやっていこうと思います。またもう一つの意味・役割としては「監視の目」ということですね。僕の場合、プライドが高いので、かわいい女子がいるカフェとかに行けば、漫画は読まずに作業に集中することができたりします。
「集中して作業できる環境」は、そのままです。上司にも仕事場は作った方がいいぞとアドバイスを頂きました。やっぱり個人的には「監視の目」としての機能が一番大きい気がしますが、実際やってみて集中して作業できる時間が結果的に増えているので、今後も継続していこうと思います。ちなみに、既に4箇所作業用のカフェを見つけました。いい感じな気がします。
「期限とペナルティ」もそのままです。「人」のところと強く関係していますが、それを達成する「期限」を設けること、そしてそれを達成できなかったときには「ペナルティ」を課すべきだろうということです。読書会を開催しているのですが、これが主な理由だったりします。読書会のおかげでなんとか、最低限読書を読めていますし、なんならこのブログもそれで運用できていたりもします。
強制される環境ということに関して、結論、自分がやるべき作業を確認したら、まずそれをいつまでにやるべきかを決め、どうやって知人を絡めるかを決め、達成できなかったらどれくらいのペナルティを支払うかを決め、必要最低限の荷物でカフェに行ってこもる、というのが良さそうです。
さて、最後にどうやって目の前の作業を細かく砕くか、ということですが、これはもうゼロ秒思考メモに任せるとします。とにかくまずメモを書き始める。これだけをルールにして縛って、それ以降はそのときの自分の考えに委ねることにします。
とても長くなってしまいましたが、最後までお読み頂いて本当にありがとうございました。
戦略コンサルタント、外資系エグゼクティブ、起業家が実践した ビジネスエリートへのキャリア戦略(渡辺秀和、2014)★★★★ー0041
実は、ワークライフバランスの差がある時期は、20代から30代前半までの10年程度の短い期間だけでした。この間に仕事に打ち込んだか、遊んでしまったかが、決定的な差を生んでしまったのです。若いうちに力をつけて、「キャリアの上昇気流」に乗ってしまう方が後がラクになるのみならず、社会へ及ぼすインパクトなど仕事の充実度も大きく違ってきます。
コンコードエグゼクティブグループ代表取締役社長CEOの渡辺秀和氏による、キャリア設計についての教科書となる一冊です。就活している学生や、転職を考えている人向けに書かれています。
■課題意識
がっつり就活を意識しています。とにかくファースキャリアをどうするかで最近頭を悩ませているので、何か参考になる考え方・情報がないかと思い、本書を手に取りました。
■気付き
①スタートダッシュを決める
②そこの入るための戦略ももちろん必要
①スタートダッシュを決める
人生は、がんばるべき時にがんばっておくと効率がいいものです。それと同様に、仕事も若い頃にがんばり、一気に「キャリアの上昇気流」に乗ってしまうことが大切なのです。
ハブ・キャリアは、主に経営幹部や経営企画、新規事業責任者、ブランドマネージャーなどのマネジメントポジションへの転身に効果的です。
現代はコンサルティングファームやベンチャーキャピタルをはじめとするプロフェッショナルファームで、20代前半から経営に関する知識やスキルを磨くことが可能です、また、成長企業では、20代で経営幹部として働くチャンスもあります。
本気で起業したいとお考えの方は、身につけておくべきスキルや経験を意識してキャリアをつくることが大切です。具体的には、戦略やマーケティングに関するスキル、リーダーシップやマネジメント経験、新規事業立ち上げの経験、起業する領域における人的ネットワーク、顧客や資金などが代表例として挙げられます。
所属していた会社には、自信の夢に向けて役立つ貴重な経験を積ませてもらうわけですから、しっかりと大きな貢献をしてから卒業するようにしたいものです。
スタートダッシュがキャリアの決めてっぽいですね。具体的に良いのではないかと提案されているのが、「戦略コンサル」「VC」「成長IT企業」って感じです。理由はセカンドキャリアの選択肢が狭まらないからとのことです。当たり前っちゃ当たり前のような気がしますね。問題はそれらの選択肢をどういう評価基準で決め込んでいくか、これは自分で考えろって感じだと思うので考えていきたいと思います。
さらっと流しましたが、本当に戦コンやVCでの経験が「起業」に活きるのかどうかも、そうではないという意見をけっこう耳にしますので、見せかけのもっともらしさに惑わされず、実態をしっかり見ていきたいと思います。
例えば、実際のところどういうスキルや知識が身につくのか、そしてそれをどうやって次に活かせるのか、またそれを「上手く活用できないのでは?」という人に対してはその理由をこれでもかという程聞いてみるといった感じのアクションではないかと思っています。
とにかくスタートダッシュ決めるために頑張らなきゃなって思いました。頑張ります。
②そこの入るための戦略ももちろん必要
「転活リテラシー」とも言える、身につけておかなければいけないベーシックなスキルがあるのです。これを知らないと、いくら実力があっても、素晴らしい経歴があっても、あっさり選考に落ちることも起こり得ます。
相手に考えさせる負荷を押し付けるのではなく、自分の魅力・実力をわかりやすく誤解のないように伝える努力をできる人が、これからの人気企業から求められているということなのでしょう。
これは最も効果の高い投資だと筆者は言っています。嘘をつくのはもちろんダメですが、要は見せ方次第です。商品のセールスとなんら変わらないと思います。相手が欲しいと思うポイントに照準を合わせて、伝えていけるよう論理を詰めていければと思います。
戦略コンサルタント、外資系エグゼクティブ、起業家が実践した ビジネスエリートへのキャリア戦略
- 作者: 渡辺秀和
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10年後世界が壊れても、君が生き残るために今、身につけるべきこと 答えのない不安を自信に変える賢者の方法(山口揚平、2015)★★★★ー0040
僕は都市上位や地球市民を目指したいです
ブルー・マーリン・パートナーズ株式会社代表取り締まり役の山口揚平氏による、若者に向けたこの社会で生きて行くための指南本となる一冊です。
■課題意識
昨日と同様に、世界がどう動くのか、自分をキャリアを考える上で何かヒントを得ようと思い本書を手に取りました。と、思ったのですが、なぜか自分に響くのはコミュニケーションについてのことばかりでした。やっぱり表層の顕在意識ではもちろんですが、潜在意識レベルでもこれを課題だと感じているっぽいですね。。
■気付き
①コミュニケーションの本質は「距離」
②やっぱり人徳を積むべし
①コミュニケーションの本質は「距離」
相手との距離感・間合いを冷静に感じて、言語化するべき。自分ではなく、相手に注意を向けるんだよ。
柔軟性とは自意識の解消度合い
さらす勇気、自分の黒歴史もコンプレックスも、自分のカレンダーも何もかも。
一緒にいて楽しい人、気分のいい人になる
コミュニケーションの本質は「距離感」のマネジメントだそうです。そのためには、自分のことを客観的に見れるようになる必要があります。その場に求められていることを、自分の感情というフィルタを一旦認識して、排除するようにするようにした方が良さそうです。
具体的なアクションはあまりイメージできていないです。あまり気が合わないような飲み会に参加することと、コミュニケーションについて、例えば「気遣い」とかそういう類の書籍を手にとってみようと思います。また名作文学にも定期的に触れていきたいと思っています。
②やっぱり人徳を積むべし
アセットは必ずしもキャッシュではない
「助けて!」と言える相手を持つことかな。損得抜きで付き合える人たちを周りに作ること。時間と余裕があるときは功徳を積みなさい。信頼残高が増えるから。特に、友達が最も困っているときこそ、全力で助けなさい。
しかもそういう行為をすることで、君は自分に余裕があると認めることになるんだ。行動が考えや意識を決める方が実際、多い。
これですね。前記事(0014ー人間失格)にも書きましたが、情けはためならず精神ですね。積極的にそういう善行を積んでいくしかないんですね。今後は、縦の社会というより、横のつながりが増えていくそうなので、ますます、こういう人間としての魅力を磨いていこうと思います。
個人的に、この「アセットは必ずしもキャッシュではない」っていうのが響きました。昨日の前記事(0039ー未来に先回りする思考法)の書籍の中でも出てきましたが、お金は「価値」を表現するひとつでしかない、ということです。今後本質的に「価値」とは何かということを見直していきたいと思います。
10年後世界が壊れても、君が生き残るために今、身につけるべきこと 答えのない不安を自信に変える賢者の方法
- 作者: 山口揚平
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2015/07/11
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未来に先回りする思考法(佐藤航陽、2015)★★★★★ー0039
「何十年後にこうなる」という未来予測の結論のみを知ったところで、そこに至るまでのプロセスがわからければ、一切応用が利きません。しかし、もしも社会が進化するパターンを見抜いていれば、状況が変わっても未来を見通すことが可能になります。そのための汎用的な思考体系をお伝えするのが本書のテーマです。
株式会社メタップス代表取締役社長の佐藤航陽氏による「未来を予測する方法論」について書かれた一冊です。個人的にこれはかなり感動しました。世の中がどんどん変化していて、全然追いつけないという方には特におすすめかもしれません。こういうことだったんだ、という気付きも多く、本質的だなぁと、圧倒されます。
■課題意識
時流に乗りたいと思ったからです。孫の二乗の兵法の、特に「頂:登る山を決め頂上から見た景色を想像する」「流:時代の流れを見極める」がきっかけですね。ちょうど今、人生の岐路に立っておりますので、まさにそういう時流を知りたいと思いました。
■気付き
①「点」ではなく「線」で捉えて未来に先回りする
②未来に先回りする上で大切なこと
③とはいえ結局インプットとアウトプットは両輪ですという話
①「点」ではなく「線」で捉えて未来に先回りする
なぜ、人々はこうも繰り返し未来を誤るのでしょうか。その原因は人々の「思考法」にあります。人は、今目の前に起きていることからしか将来のことを考えることはできません。しかし、現在の景色という「点」を見て考える未来予測はだいたいにおいて外れます。なぜなら、現実は人間が認知できないほどの膨大な要素に溢れ、かつそれらが高いに複雑に影響しあって、社会を進化させているからです。
一方で、わずかながらではありますが、驚くほどの先見性を発揮して大きな成果をあげる人もいます。彼らは現在という「点」を見て考えるのではなく、長い時間軸から社会の進化のパターンを捉え、その流れを「線」としてつなげて、意思決定をしています。その後の流れを追っていくと、あたかも、彼らは未来に先回りしていたかのように見えます。
変化を見抜くことが難しい時代だからこそ、社会全体のパターンを見抜き、的確に未来を予測し、先回りできた企業と個人が最終的には勝利を収めます
「線」で捉えている人たちにとっては、どの事業を足がかりにするかという「道」は違えど、その「目的地」はほぼ同じです。Google、Amazon、Facebookなどの巨大IT企業の創業者たちが考える未来像は、驚くほど酷似しています。
ユーザーにとって最高の価値を提供しようとすれば、最も安く、最も速く、最も快適に、最適化されたサービスを提供し、ニーズを満たすことが求められます。「ユーザーが望むニーズ」と「現在の技術でできること」の接合点を突き詰めていけば、そこにバラエティはあまりなく、多くの場合その未来像は似たものにならざるを得ません。
引用がかなり多くなってしまいましたが、認識が改まることが多かったのでそのまま載せました。具体的にどういう「線」になっているのかはぜひ本書を手にとってみて頂ければと思います。
②未来に先回りする上で大切なこと
- 常に原理から考える思考法を身につけていること
- テクノロジーの現在地を知る
- タイミングを見極める
(1)常に原理から考える思考法を身につけていること
原理から考えるためには、そのシステムがそもそもどんな「必要性」を満たすために生まれたかを、その歴史をふまえて考える必要があります。長期的な変化の「線」で考えなければ、意味はありません。
手段が目的化することを防ぐためには、今やっている活動がどんな課題を解決するために誕生したのか、常にその原理を意識しておく必要があります
なぜイノベーションが生まれるのかというと、「必要性」があるからだそうです。だから常に国の危機に瀕していイスラエルはイノベーションが起きやすく、逆に安泰の日本ではイノベーションが起きにくいそうです。すべてのものは何かしらの「必要性」を満たすために生まれてきているので、その本質に立ち返り、もう一度その「必要性」に対してそれを解決する方法をゼロから考える必要がありそうです。
(2)テクノロジーの現在地を知る
今、社会の変化のスピードは過去最も速くなり、そしてなお加速し続けています。進化のスピードが急速に上がった現代においては、テクノロジーに焦点を当てることが、社会全体の構造を理解する一番の近道です。
課題への解決方法が時代に合っているかを判断するためには、テクノロジーの現在地を知る必要があります。
「必要性」に立ち返り、それを解決する方法を最適化するためには、最先端のテクノロジーを知っている必要があります。
(3)タイミングを見極める
「点」で考えるのではなく、「線」でつないで考えれば、何が起こるかを予測すること自体はそれほど難しいことではありません。ただ、それがいつ起こるかを読むのが難しいのです。タイミングが早すぎれば、コスト、技術、品質、倫理などの面で社会に受け入れられることはなく、逆に遅すぎれば成果はすべて他人に持っていかれてしまいます。
引用のままですが、タイミングはしっかり見極める必要がありそうです。孫の二乗の兵法でいうと、「天」ですね。
③とはいえ結局インプットとアウトプットは両輪ですという話
現代は「行動する人」が多くを得る時代です。変化を察知し、誰よりも早く新しい世の中のパターンを認識して、現実への最適化を繰り返しましょう。そのために必要なことをは行動すること、行動を通して現実を理解することだけです。
頭に入れた情報を現実世界で活用し、体験することなしに、対象を理解できることはありません。私が人間や社会が絡む領域について考えるとき、常に気をつけていたのは「打席に立つ」、つまり理論だけの評論家にならないことでした。すべての仮説と考察は実際に毎日の生活の中で活用し、本当かどうかを検証してみる必要があると、私は思っています。
そして全体のパターンを理解するために必要なのがサンプルの母数です。一度トライしただけで、そこからパターンを見極めるのは無理があります。パターンが理解できるようになるのは、一定数のトライを重ねてからです。
物事がうまくいかない場合、パターンを認識するために必要な試行回数が足りていない場合がほとんど、目標の達成を阻んでいるのは、実は人間の感情というフィルタだったりします。
一回一回の成否に一喜一憂せずに、パターンと確率が認識できるまで「実験」だと割り切って量をこなすことが重要です。
結局アウトプットしまくる必要っていうのはどこ行っても言われるんですね(笑)。今回引用しすぎて自分のコメントが少ないですが、まあ、こういう回があってもいいんじゃないかなって思いました(笑)
孫の二乗の法則 孫正義の成功哲学(板垣英憲、2011)★★★★ー0038
有限な一生を悔いなく有意義に過ごそうと思うなら、まず、何を志して世に出て、世のため、人のため、そして何より自分のために何事を成し遂げていくかを決めなくてはならない(略)。これ(=孫の二乗の兵法)を活用するか、見過ごしてしまうかで、あなたが「楽しみの人生」と「嘆きの人生」のどちらを選び、歩んでいくか、大きく変わってくる
本書は評論家である板垣英憲氏によって、「孫の二乗の法則」を本格的に解説した一冊です。前記事(0023-ソフトバンク③リーダーたる者の志「孫の二乗の兵法」)でも取り上げましたが、今回はそれの少し詳細版です。漢字の一つずつの意味に加え、それが孫正義氏の場合どうだったかという、具体的な事例を一つずつ取り上げ解説されています。
■課題意識
単純に孫さんみたいになりたいなと思って、彼の思考が詰まっているこの「孫の二乗の兵法」をもう少し詳しく知りたいと思い本書を手に取りました。
また、バイタリティとはなんぞや、というところで、真っ先に出てくる人物の一人が孫さんだったりもするので、今後自分が圧倒的なバイタリティを獲得するために何かヒントがないかということに気をつけて読んでみました。
■気付き
高いバイタリティは自分に課す基準の高さゆえか
「頂」
「なんとなくこうなれば」というのは、ビジョンとよばない。十年後にはこうなる、二十年後にはこうなるというように、「必達目標=コミットメント」と「明確な最終期限=デッドライン」を決め、そのときのイメージを徹底的に思い描く。「コミットメント」とは、達成できなくても、誰からも咎められることのない単なる「努力目標」ではない。命を賭けて実現しなければならないほど、厳しいものなのである。
「情」「略」
死ぬほど情報を集めて、死ぬほど考え抜いて、死ぬほど選択肢を出して、あらゆる選択肢を網羅して、そのうえで、99.99%削ぎ落として、絞り込む(中略)これもやる、あれもやる、みんなやるというのは戦略ではない
ふるいをかけ新事業を絞る「九つの条件」
こうしてみてみると、いかに自分に求める水準が高いかどうかがわかります。常に「一番」を目指してやってやろうという気概があるからこそ、圧倒的なバイタリティを獲得する努力を積み重ねられるのかもしれないのだと感じました。
今後のテーマは「どうやったら、誰よりも心から1番になることを切望できるか」「そして、どうやったらそれを実行に移し、日々バイタリティを高める努力を継続できるのか」といったところだと思いますので、それに関して情報収集し、考察をしていければと思います。
■P.S.
みなさん、あけましてあめでとうございます!今年もどうぞよろしくお願いいたします!!
人生がときめく片づけの魔法(近藤麻理恵、2010)★★★★ー0037
なぜ家の中を片づけると、このように考え方や生き方が、つまりはその人の人生までもが変わってしまうと思いますか(略)一言でいうと、片づけをしたことで、「過去に片をつけた」から。その結果、人生で何がいらないか、何をやるべきで何をやめるべきかが、はっきりとわかるようになるのです。
米国「TIME(タイム)」誌 世界で最も影響力のある100人に選ばれた近藤麻理恵氏による、これまでの整理・整頓・収納術からすればかなり非常識な「こんまり流ときめき整理収納法」について書かれた一冊です。現在39ヵ国で翻訳され、累計300万部も売れているそうです。
■課題意識
大掃除をやる前にしっかりやり方を学ぼうと思って本書を手にとりました。
■気付き
①片づけを始める前に理想の暮らしを思い描く
②片づけとは、「捨て」て「居場所を決める」だけ
③特に大事なのは「捨て方」
①片づけを始める前に理想の暮らしを思い描く
「スッキリ暮らしたい」とか「とにかく片付けられるようになりたい」ではまだ甘い。もっと深く深く、考える必要があります。自分が「片づいた部屋で生活している様子」がありありとイメージできるくらい、具体的に考えることです。
目的を考え、visionを明確にする。今まで読んできたビジネス本と共通していますね。おそらく何事もそうなんじゃないかという気がしてきます。
ちなみに僕の場合は、「自動的にやる気スイッチが押される環境」というのをテーマとしました。どうしても部屋だとだらっとしてしまうときがあって、それが原因で自分に自信がなくなるという悪循環があると思ったからです。結局みんなの前でイキイキいるためには、家はくつろぐ空間だという概念を取っ払って、やることをしっかりやれるようになる方が、理想の自分に、理想の生き方に近づけるんじゃないかと思いました。
具体的には、目の前には作業に関係するもの以外に無い状態、目の前の作業以外には出来るだけ脳みその容量を持って行かれない状態(意思決定が極力少なくなるような状態)を目指したいと思いました。
②片づけとは、「捨て」て「居場所を決める」だけ
片づけで必要な作業は「モノを捨てること」と「収納場所を決めること」の二つだけ。大事なのは「『捨てる』が先」の順番だけ
シンプルです。そして被せますが、大事なのは「捨てる→収納する」という順番を守ることです。それぞれを同時並行的にこなすのは、今までの経験上(少なくとも僕には)、無理でした。だから目の前の「捨てる」「収納場所を決める」ということに集中するべきなのです。
ちなみに今回、衣服をゴミ袋二つ分捨てました。ブックオフに売りに行ったところ、4000円くらいになりました。まあ、買値を意識すると鬱になりますが、臨時収入としては大きいでしょう。ましてほぼ使っていない、ためにためた衣服たちだったので、ラッキーということにします。とはいえ、本質は、残すべきもののみを残して、よりシンプルな暮らしを手にいれたことですので、あくまで副次的メリット、ということですね。
③特に大事なのは「捨て方」
モノをひとつひとつ手に取り、ときめくモノは残し、ときめかないモノは捨てる(略)「ひとつひとつ手にとって、触れてみること」が重要です。
「捨てる」ことだけを考えて片づけをすると、不幸になります。なぜなら、本来片づけで選ぶべきなのは、「捨てるモノ」ではなく、「残すモノ」だからです。
結局、お部屋も持ちモノも「自分が幸せになるため」にあるのでなければ意味がないと私は思います。だから、モノを残すか捨てるか見極めるときも、「持っていて幸せかどうか」、つまり。「持っていて心がときめくかどうか」を基準にするべきなのです。
では、具体的にどう捨てるのかというと、「ときめき」という基準をもとに残すモノを選択しようということです。捨てるモノを見つけそれを削ぎ落としていく消極的なスタンスではなく、本当に自分にとって価値のあるもののみを選んでいくという積極的なスタンスが大事ということだと解釈しました。そのため、一旦、衣服なら衣服を全て、一つの部屋の中央に集めて、一つずつ手にとってジャッジするという方法をとります。
ちなみに、僕の場合、このプロセスにかなり時間を食ってしまいました。というのも、困ったら着てみる、という手法をとったので、その分。かなりアナログですが、それだけにこういう場合効果が高かったかもしれないです。しかし、これでも少し妥協してしまったとやや後悔があります。というのも半分は、「これあんまりときめかないけど使わざるをえない」と思ったので残しました。金があれば、本当に大切なモノを残し、そして、本当に大切と思うモノを買いに行ったんですが、そこをケチりました(。-_-。)
最後に
さらに本書には具体的な方法論がもう少し詳しく載っています。例えば衣服から片づけを始めるべきだなどという順番とかですね。もう大晦日なので、みなさん大掃除が終わっているかもしれませんが、ぜひ一度手にとって、片づけの方法に関して一度しっかりインプットしておくと、もしかしたら二度とリバウンドせずに、すっきりした生活、それこそトキメキにあふれた生活を送れるかもしれません。
最後までお読み頂きありがとうございました。今年もありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
それではよいお年を〜^ ^!!
- 作者: 近藤麻理恵
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人間ぎらい(モリエール、1952)★★★★★ー0036
ああ!こんな残酷な仕打ちがまたとあろうか。こんなひどい仕打ちを受けた人間がまたとあろうか。ああ!おれは正当な理由があって、この女に憤怒の炎を燃やしているのに、恨みを言いに来たおれが、かえって喧嘩を売られているのだ。この女は、おれの苦しみ、おれの疑惑をさんざあおり立てて、おれに嘘までもまことと思い込ませながら、鼻高々になっているのだ。だのに、いまだに卑怯な俺の心は、愛着の鎖が断ち切れずにいる。相手を不埒なやつながら無我夢中に想い込んで、小癪なやつだと軽蔑してかかることもできずにいる。
17世紀フランスの俳優、かつ劇作家のモリエール氏による1冊です。誠実であろうとするがゆえに俗世間との調和を失い、恋にも破れて人間ぎらいになってゆくアルセストの悲劇を、涙と笑いの中に描いた、作者の性格喜劇の随一とされる傑作です。
あらすじについては、朝日出版社のページがわかりやすかったのでそちらにお任せします。
■課題意識
人たらしになりたいという想いが強いのですが、どうも僕は人間音痴みたいなので、人間への理解を深めようと本書を手に取りました。何か人間についての気付きがあったらいいなという、わりかし軽いスタンスです。
■気付き
①自分を傷つける勇気がないと、結果的にその方が勇気がないという印象を与える
みんなの話があんまり下品なので、とても相手になっていられないなんかと言いだして、やっぱり難癖をつけようとしますの。そして自分は腕組みをしながら、おれの考えていることはとてもわかるまいといったような顔をしながら、みんなの言っていることを、さも憐れむように見くだしていますのよ。
これは主人公アルセストが想いを寄せる女性セリメーヌが、その場にいない人たちの悪口を言っているシーンです。一旦、その行為は置いておいて、その中身に言及したいと思います。人を見下す人って、実際賢くない、ただの人間音痴なんだと思います。本当に賢い人はその輪の中に飛び込んで、そのバカさを一緒に楽しめる人なんですよね。最近、僕はその勇気みたいなものが出せなかったことがあって、とてもささりました。人間力上げたいです。
②表面上はいい顔をしているけど、裏では何を思っているのかわからない
今度は上記の引用「みんなの話が〜」での、セリメーヌのその行為(その場にいない人たちの悪口を言う)に焦点を当てて考えたいと思います。
しかし、そうしてあなた方にやっつけられている人が、一人でもここへ顔を見せようものなら、あなた方はあたふたと出迎えて、手を差しのべ、お世辞の接吻をして、御用はなんでも承わるなんかと、さも神妙な振る舞いをするにきまっているのだ
主人公アルセストは、セリメーヌとその他爵位の人たちと世間話をしているところをこう言ってやりました。まさしくそうなんですね。
昨日の「論語と算盤」ではないですが、結局中身が大事と言えど、その中身を推し量る材料は表層にあるその人の「言動」なわけなので、良く思われる、というか上手くやっていくためには、最低限うわべ良くしておく必要はあるわけです。
だからこそ、これは他人にも言えて、今その人の本性が出ていることはまずありえない、そういうスタンスを仕方なしと受け入れて、人とコミュニケーションを取っていくほかなさそうです。だから、表面上はいい顔をしているけど、裏では何を思っているのかわからないと気を引き締め、油断せず相手にとって良いこととは何かを考え続け、提供し続けていく必要がある気がしています。そう感じました。
③人の自負心を滅多に攻撃するもんではない
僕があいつのソネットを結構だと言わなかったので、一生あいつに恨みに思われようという騒ぎなんだ。人間というやつぁ、どうせあんな風にできてるんだ。みんなが自負心に駆られて、あんな行動をとってしまうのだ。そしてそれが、彼等にとっては、直情径行となり、正義となるのだ。
オロントは新作の詩をアルセストにぜひ評して欲しいと、それはもうかなり腰を低めて頼み込んで、それを朗読して聞かせたんですね。ですがアルセストは容赦なく酷評しまくったので、オロントはブチ切れました笑。挙句、オロントはアルセストを訴え、アルセストは追われる身になってしまいました。
結局、意見をくださいというのは「褒めてください」ということなんですよね、たぶん。見せかけの低姿勢な言動に惑わされず、その人が結局何を求めているのかをしっかり考えて、対応していかないとなー、とつい思わされました。具体的な方針は、人の輪の中に入ってもがくという他に、こういう書籍を読んで疑似体験を多く積んでいけたらと思っています。